中国語の発音と日本語の変化規則 k/g-ji/qi  

前回に引き続き、日本語の音読みから中国語読みを推測するための知識を紹介する。大学で学んだ比較言語学や音声学などを利用して、効率的に中国語単語の発音を覚える方法を紹介する。

日本語→広東語→中国語 k/g-g/k-ji/qi

日本語と広東語は発音が似ているのだが、中国語とは似ていないのがこの二つの音である。

  • 加ka-ga1-jia1 (アルファベットの順番は日本語→広東語→中国語)
  • 球kyu:-kiu4-qiu2

この変化がなぜ起こるのか僕にはよくわからない。おそらくほかの言語でもgaとjiaの対応はあるだろうが今は思いつかない。Circusなどのciという綴りをラテン語ではkiと読み、フランス語ではsiと読んだりする違いも同じような変化なのかもしれない。

英語とフランス語での現象

 

英語のgardenとフランス語のjardinに於いて、gaとjaが対応していると見做せる(偶然でなければ)。

インド・ヨーロッパの古典語の例

gaとjaとは少し違うが、インド・ヨーロッパ語にはkとsの対応関係が確認されている。代表的な例はcentum(ケントゥム)とsatem(サテム?読み方はわからない)の対立で、前者はラテン語で100(フランス語でいうcent、英語では「百分の」を意味するpercentなどに見られる)、後者はアヴェスタ語(地理的にはサンスクリットに比較的近い?)での発音である。

元はkの発音だったものがアヴェスタ語ではsになり、ラテン語はkを維持した。しかし、ラテン語と近い関係であるフランス語はラテン語のcentumを継承しつつも、sの発音になった。

つまり、k→sやg→jは普遍的に見られる現象と言えるかもしれないというお話。

 

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