中国人も中国語で普通のことを言い表せない

中国人はどれくらい中国語が上手いのか。

そんなの母国語だから、ネイティブだからよっぽど難しいことじゃなければ大体わかるでしょと考えるのは間違い。中国には共通語として普通話という言語があり、これは家族や同郷と話す時は一般的には使われない。そのような時、自分たちの方言で話すのが通常である。つまり、中国語はやはり母語とは違う存在で外国語のようなものなのである。

(この文章で「中国語」とは普通話を指します。)

中国人も知らない中国語の単語

僕が中国人と話をしていて気付いた中国人が知らない単語は以下です。

垢(あか)污泥

かさぶた疮痂

灰汁(あく)浮沫

ボウフラ 孑孓jie2jue2

どれも日常生活で使う普通の単語です。しかし、どれも共通して毎日使う単語ではないし、日常生活以外の例えば、新聞など読み物で見かけることがない単語です。おそらく、中国人も中国語を使う時には使う機会もなければ見聞きする機会も皆無なのでしょう。

例えば、広東語ではボウフラのことを小さい蚊(細蚊sai3 man1)と呼ぶように、方言や中国語自体に元々上の日本語を表現する概念がないのかもしれない。また、ミャオ族の友達はミャオ語にはボウフラを表現する単語があると言っていたが、中国語では何と呼ぶか困っていた。

これらの単語(の概念)を中国語で表現しないといけない時、どうするのか。例えば、「かさぶたができるまで傷口をいじってはいけない」という時は「血が凝固するからさわるな」という。

中国語では方言を混ぜて話さない

日本の場合、かさぶたのことを「つ」と言うことを方言と知らずに使ってしまいますが、中国ではちょっと違います。標準語の中に間違えて方言を混ぜてしまう場合と、方言と標準語(普通話)の差が大きいので言い方がわからずに違う表現をしてしまう場合の二つがあります。僕が体験したところでは、ある湖南省の女性が「垢」の標準語の言い方がわからずに一生懸命考えていたケースがありました。

広東省の年配者などでは標準語に方言を混ぜて話す人も多いです。

中国人が一部の単語の言い方を知らない理由

中国語は母語ではないと上記に書きましたが、最近では子供にわざと中国語を話し、夫婦やその他成人の家族と話す時には方言を話す人が多い。なぜなら、中国語は成績や知能の向上させる先進的な言語で、方言は劣ったものだと考えているからだろう。学校では授業外の友達との会話以外全て中国語を話すために中国語がわからないと授業が分からず致命的です。僕ら部外者としては方言が廃れることは残念ではあるが、言語経済性(英語のように強い言語を覚えると有利になること)を考えると仕方ない。

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