単語を丸暗記せずに覚えるには

『7ヵ国語をモノにした人の勉強法』という本のP28に「世界と言葉を結びつける必要性がある」とあります。これはなかなか分かりにくいのですが、私も同じことを感じているので理解できます。

自分と同じことを感じる人がいることを知って驚いています。ただ、「認知」という心理学や脳機能学の分野では既に指摘されているでしょう。

単語と現実世界を結びつける

これを私の言葉で表現するならば、「現物や実際の事象と単語を繋げる」ということです。橋本さんの「世界」という言葉ではわかりにくいのですが、外国語の単語と日本語の訳語を繋げるのではなく、外国語の単語と現実世界を繋げるという意味です。

Utility pollという単語を見て・聞いて「電柱」という訳語を思い浮かべて初めてUtility pollという英単語を理解するのではなく、見た・聞いた時にそのまま頭に絵を浮かべることができたり、何の話をしているのかを理解できたりすることを「現物と単語を繋げる」という表現が指しています。

こそあど言葉の身に着けやすさ

単語を翻訳せずに現物や現実の事象と結び付ける訓練をするのに最も適した単語は「これ」「あれ」に相当する言葉です。

例えばインドネシア語を勉強する時に、目の前の腕時計を見ながらini(「これ」という意味)と頭の中で言い、次に目の前の別のところにある消しゴムを見ながらiniという単語を頭の中で発話します。このようなリハーサルを繰り返すことで、iniという単語が近くのものを指す言葉だということに頭・脳が慣れていき、翻訳せずに理解できるようになります。

単語の覚える時のイメージ

どうすれば、翻訳せずに外国語を理解できるようになるのかと言うと、私の方法論はこうです。

まず、単語を覚える際に例文を見てその単語の意味を雰囲気をつかむように覚えます。訳語を見てもいいですが、言語化せずに。「意味を雰囲気でつかむ」というのは、英語学習のテレビ番組や教材で言われるところの「単語のイメージをつかむ」と同じことです。この目的は翻訳せずに理解できるようになることです。

 

大量の外国語に触れる

この手順より更に効果があるのは、大量に文章を読むことです。たくさん読むうちに前後の文脈を持つ大量の例文を見るうちに、単語を一目見ても翻訳せずに意味がわかるようになります。訳語だけを見る場合や辞書の短い使用例を見る場合より、文章を読んでいる時には文脈が理解を助けてくれるだけでなく、その単語の使い方や細かいニュアンスなども総合的に理解できます。

ただし、文章で単語を覚えると言っても、この単語を覚えたいからこの本を読もうというような本の選択はできません。よく使われる単語から出てくるので淘汰されるということで不要な単語は忘れていけばいいのです。

色々な単語の覚え方を比較しました:効率的な単語習得方法 - 多言語話者の効率的外国語学習法