SLA(第二言語習得論)の研究対象

外国語学習法を研究している学問はあるのか

外国語を勉強していると、言語学で効率的な方法を研究していないのかと気になる人は少なくないでしょう。言語学の一分野で第二言語習得論、英語でSecond Language Acquisition、略してSLAと呼ばれる分野があり、効率的な外国語学習法に関連する分野を対象としています。

SLAの研究範囲・今までの研究してきた仮説を知る概論を記した本はSecond Language Acquisition short introductionです。本自体も薄く、内容も幅広くいくつかの理論を紹介している本です。

The Study of Second Language Acquisitionは厚いです。アマゾンでは書店よりかなり値段が安くなっています。上の本と同じくRod Ellis先生が編集しています。

本を買わなくても、有名な論文などはpdf形式でネット上にアップされています。例えば、Krashenの論文もあります。

http://www.sdkrashen.com/content/books/sl_acquisition_and_learning.pdf

SLAがどんなもの研究をしているのかを理解する為に、Krashenの理論を例として紹介しましょう。Krashenは外国語の習得は文章を聞いたり、読んだりして理解できるものを聞いたり・読んだりする時にのみ起こるという理論を主張しています。また、彼の場合、外国語の(比較的自然な)習得(acquisition)と勉強によって起こる学習(learning)を明確に区別しています。

 

Youtubeの動画に日本語によるものもありました。多くはないです。

外国語学習法に近い研究

第二言語習得論(SLA)の主な研究目的は、人が外国語を学ぶ時はどういう順序で外国語を覚えるのか、どういう間違えを犯すのか等々外国語学習のプロセスに焦点を当てたものが多く、あまり外国語学習法自体にとって参考にならないことも少なくないです。

 

良い外国語学習者(good language learners)はどのように外国語を学んでいるのか。どういう点に気を付けて外国語を学ぶのかということ観点もあります。研究の結果によると良い学習者は例えば、ネイティブに単語を使い方を聞いたり、自分や他人の発音を修正したりして学ぶ傾向があります。

いずれも、効率の良い外国語学習を探ろうというが最終目的という訳ではなく、良い学習者の傾向を見たり、どういう方向性(戦略)があるのかなどを見たりするようです。

日本語で読める本で、更に効率の良い外国語学習法を論じている本は『外国語学習の科学』があります。

白井さんの本は数冊ありますが、内容はかなり似ていますので、一番良くまとまっているものを紹介します。