英語の覚え方にかんする都市伝説として、いくつか言われていることがあります。
- 現地に行けば自然と言語を覚える
- 子供と同じようにただ聞いているだけで外国語も覚えられる
現地に行くことに関しては以前も述べました:語学留学しても現地の人と話せない
今回は所謂英語のシャワーの優位性について考えます。
理解を伴うものが望ましい
先に、結論に言っておくと、ある程度の理解がないと効果ないです。日本人ならある程度の英語は学校でならっていますので、その理解がある為に、ずっと聞いているうちにわかあるようになるのでしょう。
一方で例えば、毎日一言もわからないサンスクリットをずっと聞いていいて話せるようになるでしょうか?それこそお経のように理解できるようにならないでしょう。英語の場合は理解のための基礎があり、それがインプットによって発達するだけです。
つまり、一定の基礎があれば効果があるということです。
文脈
youtubeでも動画は見られます。
Huluは海外映画がたくさん見られると評判が良いようです。
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幼児の場合
まず下のTEDのビデオで紹介されている実験から紹介します。
まず、アメリカ人の子供に中国語で話しかけ続けて、英語にはない中国語の発音を区別できるようになったことを確認します。その後、中国語のテレビを見せ続けるという実験(7:38)があります。子供は発音の区別ができるようになりませんでした。テレビなどで音声を聞くだけでは言語を覚えることはできないのです。ただし、これは幼児の場合なので大人に完全に当てはめられるとは言えません。
とりあえず、子供のころから英語を聞かせれば英語が話せるようになると思った人は残念でした。そこまで単純思考の人がいるとは思えませんが。
外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)にも類似の現象が載っています。
大量に聞くことは大事だが全くわからないと効果ない
条件としては
- 多少は理解できる
- 聞き取れる単語がある
- 意味は分からなくても発音の区別はできる
このどれか一つの条件は満たしておかないと効果ないです。多少は理解できるレベルが望ましいです。
また、別の方法としては、
- 状況から察するに意味は分かる
- 発音の区別ができる
だともっといいでしょう。
また、ただ聞くだけだと、いくつかの単語や文を覚えることはあるかもしれませんが、自分で文を作る時の文法を覚えることはできないと研究で言われています。
聞き流すこととimmersionは別物
イマージョンプログラム(immersion program)という方法があります。イマージョンでは、例えばカナダで、英語を話す家庭の子供をフランス語だけで授業をする学校に入れるという方法です。この方法では、音声だけを聞くのではなく、教師からの指示、つまり人と人との交流の中で言語が使われるので、英語のシャワーとは条件が異なります。ただし、この方法でも社会言語学的側面、例えば敬語などはネイティブと異なる(身に着かない)と報告されています。
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