現代中国語が覚えやすくなる為の古代中国語の発音の知識を知る本

中国語を覚えるには古代の発音がわかると便利な理由

中国語を学んでいる人は、中国語の発音と日本語の発音が似ているものと似ていないものがあると思っているでしょう。日本で今使っている音読みも古くは中国から伝わったものなので、似ていて当然です。では、似ていないものがあるのはなぜでしょう。

それは、中国大陸でも時間によって変化したり、土地によって変化が異なっていたりする上に、日本でも伝わる時に変化したり、時間が経つうちに日本の中で変化が生じたからなのです。

現代語

だから、その変化パターンをいくつか理解するだけで、中国語の単語が覚えやすくなるのです。比較言語学で祖語の復元をする際には、現在残っている発音から憶測したり、文献を参照します。古代漢語と関係のある現代語は

  • 中国語(普通話)
  • 中国語の方言(例えば広東語、福建の閩南語、他にもたくさんあります)
  • 韓国語
  • 日本語
  • ベトナム語

僕が考える変化パターンはこのブログ内で以前書いています。

広東語の教科書にも日本語の発音と中国語・広東語の対応関係が詳しく載っています。

福建省と台湾の方言

福建省の閩南語と台湾の台湾語は元が同じなのでほとんど同じです。ちなみに、シンガポールやマレーシアなどの海外華僑華人の間で話されている閩南語もほとんど同じです。これらを比較することで、元になった発音を想像で復元することができ、それらの言語を覚えるときにも容易になります。

台湾が好きな人、台湾に行く人は彼らの言語を学んでみよう

文献による古代漢語の発音へのアプローチ

この本を読みました。

漢字伝来 (岩波新書)

漢字伝来 (岩波新書)

 

この本の主なテーマは日本を中心に、東アジア王朝が漢語や漢字とどう向き合ったのかということです。元朝が漢字を拒み、ウイグル文字を基に、チベット人に文字を作ってもらったという話は非常に興味深いです。

この本に古代中国語の発音が少し載っていた。この本で紹介されている古代の発音の復元方法は中国の古い文献である『韻鏡』に載っている表を基に想像すると言うもの。これは本に載っている図を見れば大まかな推測が立つだろう。

しかし、他にも予想していなかった発見がたくさんあった。

古代中国語発音研究の先駆者はスウェーデン人

古代漢語発音研究の祖がヨーロッパ人しかも、スウェーデン人とは驚いた。スウェーデンで方言研究をしていたカールグレン(Karlgren)は20歳の頃に清国に行き、そこで中国語(現地の方言など)を身につけながら研究したらしい。彼は清国で英語やフランス語を教えていたという。しかもその英語は、清国に向かう船の上で身に着けたらしい。

他に気になることがあればこの本を見てみてください。