第二言語習得論を日本語でまとめた本『第二言語習得研究の現在』

『第二言語習得研究の現在』SLAの研究をまとめた日本語の本を見つけました。

SLAは英語の本は充実しているけれども、なかなか日本語での概論の本は少ないのでこの本は重宝します。

UG理論(普遍文法)から手続き的知識(認知心理学)など言語学以外の分野の関連用語の解説も含めて幅広く解説してある。

この本はこの分野に明るくない人には確かに難しいでしょう。いくつも論文や書籍を読んだことある人ならば、多くの部分は知っていることが書かれています。

科学なので、反論を受けている理論なども含まれている。例えば、p44に言語はミラーニューロンから発展したと書かれているが、『言語の脳科学』ではp40で否定されている。

冒頭の『第二言語習得研究の現在』でも他の仮説に対する反論もあります。特に、クラシェン(Stephen Krashen)のいくつかの理論に対する反証などは重要です。

入門/一般向け

もし初めて第二言語習得論の本に触れるのであれば、最初は下の外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か (岩波新書)から始めると分かりやすいです。薄くて読みやすく、しかも具体的な英語(外国語)学習法について著者が第二言語習得論の研究を基に紹介しています。

英語の第二言語習得論の本

Rod Ellisはたくさんの概論の本を出している。この本は厚みのある辞書のような本。