加藤嘉一を通して知る中国の優秀な学生

中国にはこんな優秀な学生がいるのかと知るきっかけになったのは、加藤嘉一を通してだった。以前の記事でも書いたように、広く世界を知ることで思考の幅も大きくなると感じた。

東京大学と北京大学の学生

北京大学の学生の優秀さを示すエピソードが『われ日本海の橋とならん』のp69に紹介されてある。

東京大学の学生と北京大学の学生との議論の場となる「京論壇」を加藤さんと仲間たちが立ち上げた。その場で、東京大学の学生が語った内容が思慮に富んでいる。

北京大学の学生たちはとにかく英語がうまい、グローバルな視野、国際化への適応という点で東大生をはるかにしのいでいる。彼らは色んな方法を使って世界の情報に接している。欧米の新聞を読んで、英語の原著を読んで、トレーニングの一環として翻訳なんかもやっている。それに比べて俺たちは民主主義、言論の自由に甘んじて、努力を怠っていた。

北京大の学生が海外の情報を得る手段は主に以下の方法があると言う:

  • 海外の専門書や雑誌はコピーや回し読みなどをすることで目を通す
  • 海外のサイトを閲覧する

 

北京大学の学生が日本人学生から学んだこと

一方で、北京大生も日本人学生たちから大きな発見をしている。日本人は協調性に優れていたことが印象に残ったと言う。日本人にとっては当たり前にできることなのに、中国人学生にとっては非常に大きな刺激となったようである。

加藤が憂う北京大生の画一化された目標

加藤さんによると、北京大学の図書館では多くの学生がGREの参考書を手にしていると言う。GREというのはアメリカなどの大学院に進学する際に必要な試験のこと。

北京大学では卒業後、外資系企業に勤務し、その後外国でMBAを取り外国で勤務経験を積んだ後、中国で転職するか起業するというルートを夢見ることが普通だと言う。

これに対して、加藤さんはこのような考えの学生が多すぎて、自分で目標を決める人が少ないと感じると言う。それを中国語で从众心理(従衆心理)と呼ばれる。

ソース(中国語の書籍):p36 致困惑中的年轻人

期待と反する実際の中国の大学

私は中国に行く前にこのような書籍を読んで、中国には優秀な学生がたくさんいるというイメージを膨らませていた。しかし、実際に中国の大学に行ってみると、期待は裏切られた。

学習量は日本の大学生と比べるとはるかに多いけれども、授業や外国語能力以外の社会に対する関心は低く、言われたことだけをするだけの印象を受けた。自分から問題設定をする人に終ぞ出会わなかった。私が出会った中国人学生は30人ほどしかいなかったからかもしれない。

私が語学留学した大学は、重点大学というレベルの名門大学ではあったが、上の例は北京大学という中国の名門中の名門の例とは違った。

新興企業や起業が盛ん

中国のことを知るにつれて、優秀な学生以外の面でも面白いことを発見した。アリババのジャック・マーだけでなく中国にはたくさんの起業家がいる。30代で小さな会社の社長をしていて、ベンツに乗っている人にも出会ったことがある。または温州の不動産投資家の話なども面白く、中国語で直接アクセスできるのは便利だと感じる。