イギリス人は歌う時にアメリカ英語を使うという話

言語学の一つである音声学の知識があれば、音をより的確に区別できる。英語の母語話者(ネイティブ)はそのような知識がなくても方言の違いはわかりますし、私たち外国人も慣れれば、様々な英語の違いがわかるようになります。

歌詞がアメリカ風になっているというわけではなく、発音がアメリカ風に近くなります。以下に例を挙げます。

tをdにする

音と音に挟まれたtはdのような発音になる(正確には別物だが説明を省く)。例えば、puttingの真ん中のtは本来のtの音ではなくなる。但しputの様に後に何もない場合は、元来のtの音のまま。標準的なイギリスの英語ではどの場所にtがあっても、このような変化はしない。

長いaを短いaで読む

例えば、ビートルズのCan’t buy me loveなどではっきりわかるように、can’tのaをイギリス風に長く発音していない。この歌のテンポでアメリカ風に読まないと正直すわりが悪いし、かっこ悪い。特にRolling StonesのSatisfactionの最初のフレーズ、I can’t  no satisfactionを長いaで読むことがあったらかっこ悪い。我ながら良い例を見つけたと思う。

oの読み方もアメリカ風に

これもアメリカ風に読んでいる。

rはアメリカ風に読まない

starの最後のrはイギリス人の標準的な発音では読まない音だが、アメリカ人やアイルランド人・スコットランド人などはrの音も読む。イギリス人が歌を歌う時は話すとき同様rを読まない。しかし、ビートルズのJohn LennonとPaul McCartneyはアメリカ人のように歌っていた。特に初期のビートルズにこの傾向が強い。当時、ロックはアメリカから来たものだったし、ビートルズもElvis Presleyを敬愛していたことが関係しているのだろう。

ロック等ポップミュージック以外の讃美歌などではイギリス人はイギリス風の発音で読んでいる。

理由

理由としては1、アメリカ風のほうが歌いやすい 2、アメリカ風のほうがかっこいい。高校の頃イギリス人の先生が言っていたけれど、ビートルズはかっこつけてかなりアメリカ風にしている。

<海外の歌>