福岡市近辺の博多弁講座
僕は地元福岡が好きですが、それは他の地域にも当てはまること。とは言え、福岡は確かに地元好きな人が多い気もします。
否定の「ない」が「ん」になる
例:知らん
例:出らん(他の地域の「出(で)ん」と活用が異なる)
例:寝らん
「いる」は「おる」に対応する
例:うーわっ、誰かおるし。
例:おらん
形容詞語尾が「か」で終わる
例:おれのXperia Z1良(よ)かろ?
例:うちの子猫可愛かろ?
*但し、使用例はやや減少気味
疑問を示す「の」と「と」が対応する
例:何しようと?(他に言うとこがなくて、あいさつみたいに使われることもある)
例:この席って誰かとっとうと?(この席、誰かもうとってんの?)
古い言い方では所有を表す「の」が「と」、後が音便化して「んと」
古:あずきモンブランはおばあちゃんとたい
語気を強める場合と、意外なことに対して「ったい(と+たい)」
例:やけん、昨日行かんかったったいね
「と」+「や」=「ちゃ」、しばしば促音化して「っちゃ」
例:知っとったっちゃろ?(知ってたんでしょ?)
「と」+「ぞ」=「っつぉ」
例:知っとっつぉ
東日本での断定助詞「だ」が「や」と対応する
例:そうやろ?
*但し、「そうやよ」と言う人はほとんどおらず、男女共に「そうよ」と言う。
東日本の「している」「してる」に対応するものが2種類にある
博多弁での進行形
~しよう(他の地域では「しよる」が流音脱落)
例:ペン落ちようよ
何しようと?
博多弁での完了形
~しとう(他の地域での「しとる」が流音脱落)
例:うーわっ、こんなとこに一万円落ちとう。
例:何考えとうとや、お前?
順接の「から」は「けん」と対応する
例:ばり人並んどったけん、むかついて速攻帰った
「ばい」≒「よ」
(お年寄りと中年、子供)例:大人になるまでお酒飲んだらいかんとばい
*但し、若者は田舎臭い語感を嫌って多くの人は使わない
疑問文で単語のイントネーション消失
首都圏標準:何考えてるの?高低低高高高低低高
例:何考えとうと?低高高高高高高高
例:何しに博多駅行ったと?低高高高高高高高高高高高
古い言い方で、尊敬を表す「しゃー」(「しゃる」の流音脱落)
例:しゃれとんしゃー: おしゃれになさってる(関西弁風に言うと「しゃれてはる」)
例:来(き)んしゃった: いらっしゃった
古い言い方で、当然を表す「くさ」(人により「くさい」)
例:知っとうくさ
古い言い方で、「あのさぁ」の「さ」に対応する「くさ」
完全に古: あのくさ
古/子供のころ: 当たり前くさ
古い言い方で、「~の辺り」「~のほう」を示す「~にき」
直前が音便化して「んにき」で用いられることが多い。
例:お宮さんにき(神社の辺り)
↑最近、この表現を聞いていないためうろ覚え。
古い言い方で、疑問文につける「ね」
お年寄りの例:どげんしたとね?(どうしたの?)
古い言い方で、推量否定の「めぇ」
どうせせんめーもん。(どうせしないだろう)
古語の「しまい」から。
「~るう」=られる
がらるう:怒られる
地域や年代によります。
その他の特徴
- 好かん: 嫌い、嫌だ
- は?: え?(福岡の人に「は?」と聞き返されても怒っているわけではない)
- からう: 背負う、しょう
- 直す: しまう(西日本を中心に他地域でも同様)
- きつい: 疲れた、しんどい
- 市内: 福岡市内
- バリ: とても、とても多い
- ちゃくい、ちゃきい: 横着な、調子に乗っている、偉そうにしていて目障りだ
- しけとう: つまらない、面白くない、しょうもない、期待外れだ
- つまらん: 人として立派でない(他の地域でも使われるかも)
- くらす: 殴る、こらしめる、どつく、しばく
- ぴしゃっと: しっかりと、きちんと
- こすか: (古)ずるい、狡猾だ
- バカチョンカメラ:操作が簡単な使い捨てカメラ(もう差別用語認定されて使用不可)
- えずか:危なっかしくて怖い
- ちかっぱ:非常に、非常に多く
古い表現は今の若者もわからない。例えば、「つやつける」=格好つける、など。