言語学が教える外国語学習に向いている人とは

言語学から見た外国語適性とは

外国語学習や移民の現地語習得などを研究する第二言語習得では外国語学習に適している人という研究分野がある。この適性を英語でaptitudeと呼ぶ。

外国語を学ばせて無駄にならない人

この本では、適性を測る指標の一つとして、アメリカ国務省のもの(MLAT= Modern Language Aptitude Test)を例に挙げています。人が外国語学習に適しているかを測ることで、その人に外国語を学ばせても無駄にならないかを検査するのです。

『外国語学習の科学』(p54)によると、MLATでは以下の四つの要素に関する適性を見るとのことです。

  1. 音に対する敏感さ
  2. 文法に関する敏感さ
  3. 意味と言語形式との関連パターンを見つけ出す能力
  4. 丸暗記する能力

これをPeter Skehan氏(1998)が論文A cognitive approach to language learningで上の4つを3つにまとめます。しかし、彼は思春期を過ぎて成功する人には共通して記憶力が鍵だと結論付けました。(白石:p61)

ルールを覚えてそれを適用するよりも、膨大な数のフレーズを覚えて使いこなすことが重要

このメッセージを正しく理解する

「結局記憶力が大事なのか」と一見月並みな答えですが、注目すべきは

<ルールを覚えるより膨大なフレーズを覚えること

なのです。しこしこと文法を覚えても、文法の知識が増えるばかりで運用ができない

記憶するものを選ばないと効果が薄いです。

記憶するべきは文法項目や文法用語ではなくフレーズです。

<外国語学習への適性>