日本語の時制はいくつあるのかと聞かれえると、日本語も英語と同様の過去現在未来の3つだと思っている人がいます。しかし、文法上、日本語に未来形の活用はありません。
そのように思う原因と思われるものを3種類思いつきました。
- 英文法を無意識に絶対的規範と考えているそれに影響をされているのか
- 時間を分類すると3つに区分できると考えているからなのか
- その両方なのか
これは私個人で考えたものです。それ以外の可能性を思いついたかたは教えてください。
日本語の時制
日本語には現在を表すものと未来を表すものに文法上の区別はありません。
その為、日本語の時制は
- 過去形
- 非過去形
の対立と呼ばれます。
例えば以下の例では動詞やその他の文法的要素での変化はありません。
現在を表す
- 毎週日曜日は早起きする
動詞の原形を使うことで、習慣的な行動を表します。現在形という名称がつかわれますが、習慣という現在起こっていないことも含まれます。
未来を表す
この文は英語の現在形と同じ時制です。一方で、動詞は同じ時制を表しているのに、未来の行為を表すこともあります。
- 今日の夕方に街に行く
この文には時間を表す単語が含まれているので未来の予定を表していると考えられます。この様に、日本語の時制には未来形はありません。
文脈で現在と未来を判断
また、時間を表す単語がなくても未来のことを表している文もあります。
- パソコンを買いに行く
- 牛乳買って来る
最初の文には時間を表す単語がありませんが、未来を表している可能性が高いです。普通の人は頻繁にパソコンを買わない上に、「~しに行く」という文型では「いつもしに行く」というシチュエーションが少ないからです。軽井沢に住む上流階級のスネちゃまみたいな人は例外かもしれません。
英語の場合、これらの文の時制に合わせて動詞を変化させるのがルールです。しかし、英語を母語としないで英語を話している人の中には動詞を活用させない人もいるように、間違えていても通じるようです。ひょっとしたら、ネイティブにとっては聞きにくいかもしれません。
フランス語も現在形を使う
フランス語では未来形はあるが、近い未来には現在形で表すことが多いです。
Je prend ça.(これを貰います。=これ下さい。)
これを英語で言うとI'll take it.となり未来形を使うのですが、フランス語のprendreは現在形が使われています。フランス語ではこのような場面では未来形を使いません。
動詞で時制を表さない言語
中国語などの言語では、動詞に活用がなく、動詞の形での過去現在未来の区別がありません。
詳しくは時制がない言語ではどうやって過去未来を表すのかに書きました。
<日本語と世界の言語の比較>