英語で外国人と話してみて、初めて英語で会話するという経験をした人が
「意外と英語ってシンプルなんだな」
と思ったという話を見かけました。
では、なぜ英語乃至その他の外国語が実際より複雑なものだと考えてしまうのでしょうか。
以前の記事で紹介した事象も一つの原因です。
文法偏重、意味軽視
すぐ思い浮かぶのは学校での文法練習の影響です。もう少し掘り下げたいところです。
単純に勝手な思い込み
自分が関係ない状況等で英語が聞き取れないと、どんな単語が使われるかわかりません。すると、自分が知らない単語を言っているのだろうと思ってしまいがちです。
実際は全部知っている単語かもしれないのです。
教科書の言語と実際の言語の違い
外国人が使う日本語の教科書を見るとよくわかります。
原因は、不規則な文法現象や省略の多い表現は説明が面倒だから。学習者にはなるべく単純な方が呑み込みやすい。
そのたま、一部の多言語話者は中国語を学ぶために、中国語で書かれた英語を学ぶための教科書を使ったりもします。
フレーズと単語の意味に距離がある
使用頻度が高い単語はすでに高校まででかなりカバーされています。しかし、それでも頻度の低いものは取りこぼしてしまいます。例えば、
- part and parcel
- nuts and bolts
- bread and butter
- pins and needles
- to push up the boundary
- take a pinch of salt
このような表現は個々の単語の意味がわかっても、セットになった時の意味が離れているので、知っている単語だけをなまじっか知っていると混乱してしまいます。その為、わかりにくく感じてしまうのです。
アメリカ人のブログなどを見ると、このような表現がたくさん使われます。
スラング
ドラマや映画ではふんだんに使われることがありますが、普通の人が英語のスラングを話す人と話す機会はほとんどないので関係ありません。
はっきりと表現しないといけないという幻想
例えば、下のような英語を見てください。
Many Americans say they don't need to learn any foreign language because English is enough.
この文の後半では、どんな場面に於いて「英語で十分だ」なのかが語られていません。しかし文脈から、英語が話せればいろんな外国語でも通用するという意味がわかります。英語には省略があまりないと思い込んでいる人はこのような文が英語話者が使っていないと想像しているようです。
また、友達とアイスを食べているという文脈でWhat flavor?(何味?)だけの文を使うこともあります。
中途半端な表現では、意味が通じない時面倒だ(それを日本人同士で指摘されると不快だ)という動機で、何でもはっきりと表現したくなるのかもしれません。
完全な文しか話してはいけないという思い込み
日本語でも「何が?」のように完全な文にならない発話をしますが、英語や他の言語でも同じような話し方をすることがあります。
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