スイス人は英語と公用語にどう向き合っていくのか

Google Webmasterのyoutubeチャンネルを見ていると、ドイツ語と英語の動画の両方を同一人物が担当していることがある日ふと気になった。イメージとして、スイスには世界的な大企業が支店を置いていたり、その他金融業などでも外資系企業が多そうで、当然このような会社では英語で業務を行っていると考え、調べてみた。

同じような境遇は、EUの首都とも言われるベルギーのブリュッセルにも当てはまるだろうと思います。

関連:EUの首都ブリュッセルで英語はどのような役割なのか

以下のソース:English challenges multilingual Switzerland - SWI swissinfo.ch

英語を重視する人が増えた

会社で英語を使うところが多く、また科学や学問の世界でも英語の重要性が高まっているらしい。英語が使えることで、アクセスできる論文やネット上の情報も増えることも大きな理由である。

国内の他言語への関心は下がった

その一方で、国内の他言語に対する関心が下がった。特に、イタリア語の減少が著しいと言う。既に4つもの公用語を設定しているので、国民は英語という更なる言語が増えると相対的に他の言語を学ぶ時間も減るだろう。

また、この調子で英語の存在感が大きくなり、他言語が学ばれなっていくことで、将来同じ国民が英語という外国語で話すようになるということを危惧する声もある。スイスでは小学校の授業を英語だけで行うこと場合介入すると政府は表明しているらしい。

スイス人はどうやって英語を学ぶのか

では、スイスではどのように英語を学んでいるのかということはよく分からなかった。小学校から教えている傾向があるようだ。

ソース:一筋縄ではいかない、多言語国家スイスの早期英語教育 - SWI swissinfo.ch

どう教えるかよりも大きな要因として、使う機会が多く需要があるというが大きな理由だろう思う。

フランス語を先に学んだ方が伸びる傾向

興味深いのが、ドイツ語系の住民にとって、フランス語と英語をどちらを先に学ぶかによって、その後の伸び方が異なる傾向にあると言う。

ドイツのベルク大学ヴッパータール(BUW)で外国語教育学を担当するラルス・シュメルター教授は以下のように説明している。

英語は形態学的によりシンプルで、動詞の活用も少なく、最初の数年間は学習が容易に進む。そしてその後にフランス語を始めると、上達している感じも、英語と同じレベルに達するような気もしない。だが、逆の順序で学べばそう感じることはない。英語を先に始めた生徒に比べると、フランス語から始めた生徒の方が選択科目としてさらに第三外国語を学ぶ確率が高い」

エスペラントと逆の現象

エスペラントは簡単なので後で英語を学ぶのに良いと言われ、フランス語は英語より難しいので良いと言う正反対の理由が面白い。

エスペラントとは

ソース:スイスの小学校で二つの外国語学習、子どもの負担にはならないと専門家 - SWI swissinfo.ch 

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