各単語の声調を正確に読むだけでは不自然 ダウンステップに注目

声調のある言語は発音が肝心です。しかし、その声調の習得でつまづく人が非常に多いです。

声調というシステム自体の習得はできて、中国語なら4種類、ベトナム語なら6種類の声調を全て区別して言えるようになっていても、単語を読む時に別の声調で読んでしまうと全く理解できません。

この投稿では中国語での例で説明します。

ダウンステップ

これらの段階をクリアして、文の中でも各単語の声調を間違えないようになればスムーズに通じる段階に達していると言えます。しかし、ネイティブと比較すると、聞いていて不自然なのです。

 

英語で言うと、前置詞などの単語は軽く読むネイティブと、全ての単語を同じスピード同じリズムで読む外国人との比較に似ています。

ネイティブが中国語などの声調言語を話す時は、各単語の声調は守りながらも、文の後ろの方がやや低くなっていることが多いです。このような現象はダウンステップと呼ばれる現象の一種です。

大まかな図で表すと以下の通りです。

発音のダウンステップのイメージ図

図の真ん中の線が人の声を出した時の中間くらいの高さを示しています。オレンジ色の丸は単語が声調によって移動する範囲です。

youtubeの音声で確認してみましょう。

最初の

  • 中国东方航空公司

「航空公司」の部分が前より少し低いのがわかるでしょう。このような読み方が普通です。お持ちの教材付属CDの音源やテレビ番組などで確認してみて、そのように読めるようにするとより自然な中国語になります。このような理屈を理解せずに自然に自然なアクセントを習得する人もいますが、初心者は是非やってみてください。

中国の放送用の読み方

我々外国人学習者にはあまり関係ないことですが、中国の空港内放送などの場面では、文末の第一声は上のダウンステップをさせずに、逆に高く発音します。上のビデオの大阪行きの便を読み上げる際に、02:10頃の以下の文に着目して聞いてみてください。

  • 日本航空公
  • 现在开始登
  • 在登机口登

赤字を高く読む。

最後の「机」を前の「登」より高く発音しています。これは放送特有の発音で、口語ではありえません。