外国語レベルの自己評価と他者評価には差があります

テレビや実際に見かける外国人が日本語を話しているのを見て

この人はなんて日本語が上手なんだろう、それに引き替え私は英語ですら。。。

そんな風に思う人もいることでしょう。その外国人に対して高い評価をしたり、自分に対して低い評価をしてみじめになったりする人もいるかもしれません。

言語能力は他人には見えない

しかし、あなたが思っているほど、その外国人は日本語を理解していない場合もあります。

今回の話は最終的に、あなたの外国語は自分で思っているよりも上手いかもしれないという結論に達します。いきなり結論だけ聞くと話が飛んで理解できませんので、順を追って説明していきましょう。

外国語をわかった振り

まず、何を根拠に彼らの日本語が上手いと判断しているのでしょうか?

その根拠というのは、あなたが日本語で話し、彼らもそれに応答することで会話が成り立つことだと私は思います。しかし、会話が成り立ったような気がしていても実は、外国人はあなたの言葉を知ったかぶりをしていて、あなたが気づいていないだけという可能性があります。

なぜ理解していないのに聞き返さないのでしょうか?外国語を自分で使ってみるとわかりますが、完全に理解できなくても聞き返さない状況は多いです。

なぜかと言うと、2つ状況が考えられます。

  1. 毎回聞き返すのが面倒だから理解できなくても会話の流れを止めない
  2. 聞き取れなくても状況などから理解できる

外国人の日本語が上手いという印象をたとえ持っていたとしても、その外国の方と長く話をしていると、最初の印象よりも理解度が低いことに気づくことも多いです。粗が見えてくるわけです。

嘘をつく

外国人を日本人と同じ常識人だと思っていると、相手の行動を理解できません。

色んな国の人と話して気づいたのは、嘘をつく人が日本人より多いということです。わからなくてもわかると言う人もいますので、本当にわかるのかの証拠にはなりません。

多くの日本人が英語を話す時に理解できない時でさえとりあえずyesと答えてしまうように、内容を理解せずにとりあえずyesと答える人もいますので、それも信用できません。

ちなみに、言い訳をする人も多いです。

これはある特定の国の特徴というわけではなく、多くの国で普遍的に感じることです。

会話が成り立つと流暢さに目が向かない

流暢に話せない人なのに、しっかり言葉を話せる人だと思ってしまうこともあります。なぜかというと、お互いが話の内容に集中している時には、話し方がたどたどしくても、その特徴が気になりません。すると、話の内容のほうが印象が強く残り、話し方に対して正当な評価を下せず、流暢に話せなくても、上手に話せる人だと思ってしまう傾向があります。

外国人とどんな内容の話を

会話が成立するレベルまでの外国語能力があれば、あなたのことを下手だと思う人は減ります。ちなみに、外国人にどんな話をすればより強い印象を与えることができるでしょうか?

私の経験では、相手の国や地域の歴史を知っていると驚かれました。これは敏感な問題を引き起こすこともあります。現地の新聞や英字新聞からも情報を得ることができます。

ただ、自分から「僕のほうが君たちより詳しいね」と言わないほうが良いです。気を害する人もいます。
また、現地の地理や地名を知っていると、ただの外国人という印象から現地を理解している人ということの一歩になります。

他人はあなたの外国語を高評価しているかも

他人から見た外国語能力について考察してきましたが、反対に自己評価と現実を考察してみましょう。

あなたは、自分の外国語能力を不当に低く評価している可能性もあります。自分では話すのが遅いと思っていても、他人が同じように感じているかは不明です。特に、上記で紹介したように、内容のある話をできる人は話すスピードが多少遅くても気にしません。

上手く話せなくても聞き取りはできる人も

英語を話すのが遅い人でも、実は英語を聞き取ることに関してはほとんど問題がないというパターンも考えられます。つまり、話すスピードや流暢さと、その人の聞き取り読解能力にはかならずしも関係があるとは限りません。

また、上手に話せなくても、実はたくさんの単語を知っていて学識がある人という可能性もあります。

英語の発音・流暢さが人の評価基準

「この人は英語が上手だな」と思える原因は、

  1. 文法などを意識せずに、早く文章を構成しながら話している
  2. 特徴が気にならない程度の発音で話している

だと思います。英語を理解できない人には、他人の英語がどれだけ上手なのかは内容を理解できないので判断できません。

詳しくは:正しい英語の発音より重要な3つの流暢さ要素

ここまで色々語ってきたわけですが、他人の外国語能力を評価したり、テストしたり、またはおせっかいに訂正したりすることを私は卑しい行為だと思っています。

私は私の外国語能力を、あなたはあなた自身の外国語能力を磨くことに集中するべきです。外国語能力は人の一側面に過ぎず、その人の価値ではないからです。

まとめ

あなたの自己評価と他人が持つ印象は一致しない。

あなたが受けた印象と他人の実力は一致しない。

他人が持つあなたの外国語能力への印象は正当な判断とは限らない。

<関連記事>