多言語話者の私が考える普通の人に英語が必要ない理由

一般の日本人には英語は必要ないという意見が時折見かけられます。私もこのブログを始める時からそう考えています。この考えを記す代表的な本は『日本人の9割に英語はいらない』です。この本の内容は英語に限らず現代日本人に対する戒めのメッセージが詰まっています。語り口は『目にあまる英語バカ』や『バカの壁 (新潮新書)』に似て、説教のようです。<

英語の勉強の時間で他の勉強ができない

一つの言語を覚えるのにも時間がかかるということは、15言語以上を学んだ経験からよくわかります。また、分からないことがたくさんあるものを読む・聞くことで忍耐も消費します。

そうは言っても、時間をかけても身に着かない人の方が多いようです。やり方を変えるか、いっそのことやめてしまったほうが良い。勉強方法に関して、みんながやっているような単語帳や文法の豆知識を暗記するのではなく、英語のサイトや動画をたくさん見ながら、実地で覚えていけば良いとこのブログで何度も書いていますが、同じ意見を他のブログなどで見たことがありません。ちなみに、多言語話者のSteve Kaufmannも同じような主張をしています。

 

それほど時間と忍耐を消費してもあまり上達しない人は、他の得意な分野で切磋琢磨したほうが効率が良いです。

そして、やっとこさ覚えても多くの人は英語を使う必要に迫られることがあまりありません。それは次に見てみましょう。

英語でやることなければ英語の出番無し

英語を覚えたいと思うよくある2つの理由は

  • 猫も杓子も英語を勉強する流れに乗っている(目的を持たない)
  • 英語が話せる状態をかっこいいと思っている

いずれにしても英語の必要性の有無を度外視しています。英語を覚えても価値を生み出さないのであれば、英語以外の分野を伸ばしたほうが良いです。

では、英語が使えるとどんなことができるのか。英語を覚えないことで起こる機会損失を見てみましょう。

学術と仕事の場面で英語を使う人はあまりいないと割り切って、ここでは触れません。それ以外の場面で、英語はどんな役に立つか考えてみます。

情報(ネット・本・テレビ)

英語で得られる情報は日本語より多く、特に外国のことを調べる時には日本語より英語の方が多いように思います。またinstagramやlang-8などで外国人と話す時にも英語を使うことがあります。インターネットで英語を使うと触れられる世界が一気に広がります。このようにメリットは大きいのは確かです。

 

ただ、英語によって触れられる情報は増えても、日本のバラエティ番組のように日本人に合わせて作られたコンテンツは英語にはありません。英語のテレビ番組などを見て理解できても、好みに合わないという人もいるでしょう。現代日本のノリは日本のコンテンツにしかありませんので、洋画や洋楽が好きでないのなら、英語を覚えてもサブカルなどの面でメリットはありません。

海外旅行・海外生活

英語だけで世界中どこでも通じるということはありませんが、世界各国の空港や多くの国で使えるのは確かです。乗り継ぎなどの理由で、現地の言葉を話せない地域に行っても、空港では英語の標識などを読めますので言葉で困ることはありません。

 

しかし、海外旅行に行かないとこのように英語を使うことはありません。

しかも、海外旅行に行ったとしても、ガイドさんとほとんどの時間一緒にいるのであれば、外国語は必要ありません。私が初めて海外に行った時にはパッケージツアーに参加しており、自由時間はありましたが、ホテルからあまり離れたところに一人で行こうとは思いませんでした。たぶん、外国語のできない人も同じように世界を見ていると思います。

 

また、国内でも日本語が話せない外国人と話す機会のある人の割合は非常に低いと思います。私の場合は、日本国内で外国人と英語で話すこともほとんどありません。一年に1回くらいです。

 <英語が身につかない原因>