なぜ外国語学習は中級レベルで伸び悩むのか

英語を勉強しても話せるようにならないと言う人は世の中にたくさんいますが、その段階を初級とします。それを越えて、片言よりももう少しレベルの高い文章レベルでの会話ができるようになった人は日本でも割と珍しくない程度にいます。

そのレベルも千差万別なのですが、多くの人に共通するのが、初級の頃はスイスイレベルアップしたのに、中級で上達がストップしてしまうということです。

上級レベルに進んでも同じように上達が止まります。このように上達が止まって、母語話者と違う表現で止まってしまう現象を化石化(fossilisation)と言う人もいます。

外国語が伸び悩む原因

最大の原因は

勉強をやめるから。

勉強をやめる理由はそれなりに自分の言葉が通じるようになるので

  1. 相手の言葉を理解できなくても、尋ねるのが面倒なのでスルーする癖とスキルが身につく
  2. わからない単語は言い換えて話すので正しい言い方を身につけなくても通じる

勉強をしていても伸びていない気がする時もあります。時間がたって突然上達することも多いです。

外国語学習には必ずスランプが来て、その後突然上達する

理解できなくてもスルーする

外国語で会話している時に、相手の言ったことがわからなくても、聞き返すのは面倒です。特に、何度も聞き返すのは疲れまし、相手への配慮として聞きにくく感じます。

不自由な外国語で話すことに慣れていくと、相手の発言を理解していなくても理解したふりが上手になります。そうなると、外国語を覚える機会が減ります。

わからない単語は言い換えるので単語が増えない

中級レベルの表現力で、ある程度事柄を何とか伝えることができるようになるので自信がついてきます。そうすると、地味で地道な学習がおろそかになるのです。

「間違えをおそれずに英語を話す」ということに対して、間違えた表現のままでも良いという人もいるかもしれません。それで目的を達成している人は、敢えて苦しい思いをして上達する必要はありません。

それ以外にも、0から100語覚えるインパクトよりも3000語から100語覚えるインパクトが小さいから勉強の進歩を感じられないのかもしれません。

わからない英単語を他の言い回しで言いかえることのデメリット

会話では外国語を覚えられないという仮説

それと、よくある考えは「会話の中で覚える」というものですが、このような人は往々にして英語のサイトを見たり、英語の動画を見て吸収するということをせず、会話をしていれば、覚えた単語の使い方が上手くなるので英語が上達すると思っているようです。

しかし、それでは手持ちの表現は増えません。会話の中で、相手の表現も覚えられると思うかもしれませんが、会話は流れを止めたり、聞きなおしたりすることが難しいので、手持ちの表現を増やすことにはあまり繋がりません。

たとえ新しい単語や表現を聞いたとしても、すぐにその表現を忘れてしまい、定着しにくいです。それよりも、知ったかぶりして話の流れを止めないテクニックばかり発達するだけです。

会話だけで外国語を身につけられるとは限りません

勉強の範囲と必要とのミスマッチ

外国語が中級で止まるもう一つの原因は、勉強している範囲が役に立たないということも考えられます。

英語で外国人の友達と雑談をしたいのにTOEICでビジネスシーンの単語を勉強しても使う機会がありません。

簡単にまとめると、外国語を使う場面を明確にして、そこに必要なものにしぼって学ぼうということです。

会話表現なら、ドラマを見て、字幕表示して、使えそうな表現をパクってくればいいです。或いは、会話の多い本でも良いです。ビジネスシーンや家庭での会話が多い本を紹介します。

中級レベルの定義

外国語で意思を伝えられるけれども、話す時に詰まったり、聞き取り能力が良くなかったりする能力水準。英語の教科書でいう中級(intermediate)でも使いこなせば、かなり幅広い表現ができますが、この記事で言う中級はそれよりも低い水準のことを言います。

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