東南アジアのマレーシアとインドネシアでは、相違点はあれど非常に似た言語が幅広く使われています。インドネシア語とマレーシア語に共通点が多い理由はマラッカ海峡やインドネシア独立の歴史を見るとわかりそうです。
また、隣国のシンガポールとブルネイでもマレー語が使わます。タイにもマレー語を話す住民がいるようです。
名称は、マレー語(Malay)、マレーシア語(bahasa Malaysia)、マラユ語(bahasa Melayu)、インドネシア語(bahasa Indonesia)があります。
簡単そうに見える理由
注意しないといけないのが、「あなた達の言葉は簡単だね」と言うと不愉快に思う人がいるかもしれない点です。ただし基本的には、私の経験では、マレーシアやインドネシアの人たちは自分たちから「(自分たちの言葉は)簡単だ」と言う人もいましたし、本にもそういう話があります。
発音
母音の種類は6つだけです。参考として、日本語の母音は5種類、英語は11種類*1。それと、中国語のような声調もありません。
発音が悪くて通じないことは滅多にないと思います。
最初は『インドネシア語レッスン初級〈1〉 (マルチリンガルライブラリー)』が簡単でおすすめです。この本には音源CDも付属しています。
文字
知らない文字を使う言語は学習者にとって障壁になってしまいます。
しかし、マレー・インドネシア語はアルファベットで書かれるという点も学びやすさに繋がります。また、アルファベットにつく特殊な記号もなく、使われる文字は英語と同じです。
ブルネイやマレーシアでアルファベットではなくジャウィ文字で書くこともできますが、基本的にはアルファベット表記がわかれば不便なことはなさそうです。
文法
最初に習う「AはBである」の構文は非常に簡単で、「A B.」と並べるだけです。
例
Ini pena. これ+ペン=これはペンです。
Ini apa? これ+何=これは何ですか?
しかし、最初が取り組み易いからと言って文法全部が簡単だという訳ではありません。
マレー語・インドネシア語の勉強で難しい点
単語変化パターンが多い
ヨーロッパ語のような時制・人称等に合わせた活用はないですが、単語の変化はあります。
単語の変化とは日本語で言うところの以下に似ています。
- 大きい
- 大きさ
例2
- 動く
- 動かす
- 動き
語根に接尾辞、接頭辞、または両方を付け足します。
以下は初級の教科書に掲載されている変化パターンです。
- ber-
- me-
- (-lah)
- di-
- me- -kan
- me- -i
- memper-
- memper- -i
- memper- -kan
- ter-
- -an
- pe-
- pe- -an
- per- -an
- ke- -an
- se-
- se- an
- seper-
- ber- -an
- ber- -kan
- -nya
これ以外にも変化パターンがありそうです。一つの接頭辞にいくつもの意味パターンがあるのも難しいです。
音の変化
もう一つつまづくことがあります。単語の変化する時に音も変わることがあります。
例
menukar > me + tukar
memakai > me + pakai
これの厄介なところは変化した後のつづりからもとの綴り(語根)を見つけることです。 辞書は原型で掲載されているので、元の綴りを当てないといけません。
しかし、これはすぐ慣れます。
インドネシア語学習でつまづきそうな点をまとめると、
- 単語変化の種類が多いこと
- 変化時の音の変化ルール
単語が覚えにくい
ヨーロッパ語由来の単語を除けば、未知の単語ばかりなので単語の学習が大変です。
さらに個人的には、どの単語も同じように見え、単語を覚えにくく感じます。
例えばマレー語、インドネシア語の単語をいくつか見ていただきましょう。
- membaca
- membawa
- membuat
これらは視覚的には非常に似通っていて覚えにくいのです。似ていなくてもmやg、a、eなどばかりで、どの単語も同じように見えて印象に残りません。
- merasa 感じる
- manusia 人間
- macam 種類
このような言語を学ぶ時には特に耳で何度も聞くことが効果的だと思います。
- 単語の意味は分からない状態で単語だけ何度も聞く
- 音やリズムが耳に残る
- 印象的な発音の単語を調べたくなる
ちなみに私はインドネシア語の音色が好きです。特に好きなインドネシア語の単語は
perpustakaan 図書館
bermacam-macam いろいろな
発音やリズムが非常に印象的で、気になって意味を調べたくなります。
おすすめの教科書
音源があって、練習問題が豊富。最初は簡単で軽い内容から入りたい人におすすめです。
例文や練習問題が多い。音源は別売り。最初は豊富すぎて重いですが、豊富な例が欲しい人におすすめです。
インドネシア語の単語帳です。この単語帳で勉強してみたいのですが、音源が付属されていません。
マレー語の教科書はニューエクスプレスの本が良いと思いました。音源と練習問題があります。少しだけジャウィ文字の解説もあります。
私の学習戦略は:
- インドネシア語初級レッスンを2冊終わらせて、(済)
- 基礎単語3000語
を半年で終わらせることです。
前回マレーシアに行った時には少しだけマレー語を使いました。
- 値段を言える・聞き取れる
- 食堂でインド系マレーシア人の言ったことが聞き取れた(Silakan masuk. Minum apa?)
<マレーシアとインドネシア>
- インドネシア・マレーシアの民謡ダンスがかわいい
- マレーシアのジョホール・バルで英語・中国語・マレー語を使った体験
- 世界一簡単な言語トクピシン、ビスラマはインドネシア・マレー語より簡単
- マレーシア映画『タレンタイム』の音楽
- ロケットニュースがインドネシア語に翻訳されている
*1:二重母音を除き、曖昧母音Schwaを1として計算しました