発音は軽視されがちです。発音が難しい言語の場合は、訛りが酷いと通じないという、学習者にとっても聞き手にとっても気まずい悲惨な状況になります。発音の練習方法をまとめてみましょう。
発音が下手だと通じない言語
広東語やベトナム語が特に発音が難しく、訛っているとネイティブに通じません。タイ語も難しいので通じにくそうです。フランス語やドイツ語も発音が難しいと言われていますが、僕は通じなかったという話をあまり聞いたことがありません。
特にこれら3つのアジア言語には声調があるので、声調がめちゃくちゃだと聞き苦しいです。
何度も聞く
発音悪い人がどういう勉強方法をしているのか知りませんが、そもそも音源をたくさん聞かずに聞き取りができるようになるどころか、正しい発音も知らずに育つことになることは自明なのですが、当人は話せるようになるとでも思っているのでしょうか。
また、同じものを何度も聞くことも良いです。これにはフレーズを覚えるという目的もあります。
聞いて真似して自分で確認してみる
自分で発音してみて比較してみる。当たり前のことですが、やっている人は少ないかもしれません。練習せずに、先生できませんって言う資格はありませんよ。
日本語の発音の特徴を音声学から外国語と比較してみる
日本語は発音自体は簡単な言語です。外国人が出来ていないのは大体イントネーションです。
日本語の特徴がわかると、自分がしがちな発音というのもわかります。
私は大学の音声学の授業で教科書を使って、教員が実際に発音してもらいながら習いました。
外国人の日本語学習者が間違えがちな発音を色んな国の言語話者に合わせた説明に価値があります。日本人が各地方言の特徴を含めた日本語の発音を知るのにも役立ちます。
音声学を学ぶ
上に既に書いている通りです。音声学では調音点と言って、舌が口の中のどこに当たって発音しているかなどを知ることができます。実は、発音を決めるのは口の開け方ではなくて、舌の位置だそうです。その証拠に腹話術ができると大学の音声学で習いました。
今でも覚えています。私はこの種の記憶力が良いのです。外国語学習に他の人より向いていると言えます。
からかうつもりで真似してみる
英語や外国語の発音をまねてからかう人がいます。
そういう人を観察していてわかったのが、からかう時にはかなり真似するし、外国語風に発音することに躊躇しなくなるから多少上手くできるものです。
言語によって声の出し方など雰囲気は違うものなのです。そこを認知できれば、気恥ずかしさという障壁はなくなります。
他には飲酒後は発音がよくなるらしい
言語学の実験で、飲酒後によくなったというものがあります。ただ、その後批判されています。
現地で吸収するように自然に身に着ける
私は何語を学ぶ時でも、大体どんな発音でもできるようになります。できない発音も、何度も語学教材についた音源を聞いて練習するうちにできるようになります。他には、現地に行く機会があると、目の前で人間が言っているのを聞くので身に着きます。
目の前で人が言っているのを聞くのと、語学教材のように不自然な素材を聞くのでは条件がかなり異なります。私の仮説では脳が外国語を人が話していることを認知するからだと考えています。この仮説は学校教育で英語は数学の公式のような無機質な記号と化すでも展開しています。外国語をパズルのようなものだと認識しているようでは身に着きません。
SLA(第二言語習得論)の学者、KrashenはThe Input Hypothesis: Issues and Implicationsという論文で「外国語を話しているということを忘れる」と表現しています。たぶん、私の考えと同じことを言っているのだと思います。
また、地元でない地方に行った時に現地の方言の影響を受けることと同じ現象なのかもしれません。(一般にはうつるなんて言いますが、嫌な言い方です。)
発音に才能ない人は情熱で乗り越えられる
ただ、才能がないのか、それとも自分で練習しようとしていないのかは本人にしかわかりません。
発音が下手な人でも、立派に外国語を使っている人はたくさんいます。そういう研究者も多いです。つまり、発音や文法がおかしくても通じるということです。
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