英語の発音に関しては、2つの考えがあります。
- 英語の発音は通じればいいので、発音などにこだわる必要はない。
- 発音が悪いと通じないため、正しい発音をしないと身に着けないといけない。
私の考えでは、通じ易いレベルの発音は必要だと思います。一部の人はインド人やシンガポール人など(世界中の人)がかなり訛っているのに堂々と話しているから、自分もイギリス人やアメリカ人に合わせてあげる必要は全くないと考えています。私は完全には同意していません。
発音が悪くても通じる
ある研究に依ると、人が他人の発話を理解するには、実は非言語情報に頼る比重の方が大きいと言われています。非言語というのは、身振り手振りや表情、文脈などがあります。これは所謂メラビアンの法則というものです。
そのため、多少言語自体が聞きにくくても、これらの非言語情報で補って他人を理解するのです。言葉が聞きにくくても、意味がなんとなく通じる状況は母語同士でも起こりますし、日本語でももちろんありえます。
また文章を全部聞かなくても、一部の単語だけで理解できることもあります。
つまり、多少英語の発音が間違えていようが、その他様々な要素を総動員して相手が理解することがあるので、一部の人たちが思っているほど正しい発音をしようとしなくても通じるというのは事実です。
それに非英語圏の人も、標準的でない英語を話している人も世界にはたくさんいます。よくある国際的なジョークでも、
「世界で一番話されている言語は何か?それはBroken Englishだ。」
というものが示すように、各人がアレンジした英語の変種がすで存在するのは変えがたい事実となっています。それでも毎日世界中で意志疎通ができています。
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世界が好き勝手に話すと困る
しかし、このような理解の仕方では誤解を生んだり、細かいニュアンスなどをスムーズに伝えることが困難になる原因になりかねません。
特に、英語のように世界中で話される言語では、話し手によってさまざまな訛りがあると、出国する前に対策しようと思うと、きりがありません。
噂話で聞いたか、本で読んだのですが、こんな話があります。アラブ人やインド人、アジア人などの世界各国の人が楽しそうに雑談をしていて、そこに来たアメリカ人が言語が分からずに愛想笑いをして場の雰囲気に合わせていた。解散した後にメンバーの一人に「みんなは何語を話していたのか」と聞いてみると、英語だったという話を聞いたことがあります。
この話をどう解釈するのかは、様々でしょうが、私が今回言いたいのは、みんながわかるように話すべきだということです。なぜなら、アメリカ人には通じていなかったからです。アメリカ人に合わせようということではなく、「みんな」というのにアメリカ人も入れようということです。
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