日本語の「に」の発音の特徴と外国語との違い

日本語の「に」と英語のnee/niの発音は実は少し違います。

音の長さではありません。子音のNの音自体が違います。

日本語の「に」は「にゃ行」の「に」で読まれ、介母音の小さい「い」が入っているので子音の発音が「な」と「に」では異なります。英語のneedはnotと同じ調音点で発音されます。

日本語の「に」以外のな行と英語のNの発音(調音点)は一緒です。

英語のneatとnitの音の違いは英語の長いイーと短いイの長さ以外の発音の区別で紹介しました。


日本語の「に」のように「い」などの母音で他の母音(あうお等)と子音が違う現象のことを音声学で口蓋化と呼ばれます。私は音声学の授業で習った時に初めて知りました。それまでは、「に」と「な」の子音の違いに気づきませんでした。

音声学を学ぶと外国語の発音の区別や習得に役立ちます。大学では『基礎から学ぶ音声学』を使いました。

日本語教育をめざす人のための基礎から学ぶ音声学

日本語教育をめざす人のための基礎から学ぶ音声学

 

英語では日本語の「に」で発音しても問題なく通じます。

niとnyiに区別がある言語

ベトナム語では、この日本語の「に」と英語のneeの両方があり、区別があります。

ベトナム語では「ナ」はnaと綴り、「ニャ」はnhaとつづります。

例: niên/nhiên (単語の例:thanh niên, thiên nhiên)

例で示した通り、綴りに区別があるように発音にも区別があります。

 

どちらも日本語の「に」で発音しても通じると思いますが、発音の授業で矯正されます。ベトナム人には明確に別の音として認識されているのだろうと思います。

 <発音に関する細かい点>