インドネシア語が日本人に一番覚えやすいと言われますが、もっと簡単な言語があります。トクピシンとビスラマなどの英語からできたピジン英語です。
『はじめてのピジン語―パプアニューギニアのことば』
ピジンというのは他の言語を基に、別の人たちが使っていくうちに変化した言語のことです。トクピシンの場合は、オーストラリア人(イギリス人)がパプアニューギニアに来て現地人と話していく内に現地の人が英語を変化させて話していった結果できた言語です。ピジンの発展過程から第二言語習得論の理解に役立つかもしれない。
ビスラマというピジン英語もあります。ビスラマはバヌアツという国の言語で、トクピシンとは別ものですが、結構似ています。
単語
発音が変わっただけの英語由来の語彙
Yu go we?
Yuは英語のyou
goはgo
weは英語のwhereをパプア・ニューギニア風に発音したものを発音通りに綴りにしたものです。
英語で言うとWhere are you going?が正しいですが、トクピシンではこうなります。簡単そうなのが伝わったと思います。Yu go long we?もいいと思います。
K-Dumen - Yu Go We (Papua New Guinea Music ...
インドネシア語やマレー語は英語とは別の単語を覚えなさないといけない上に、単語が覚えにくいので、トクピシンやビスラマのほうが覚えやすいと言えます。
マレー・インドネシア語は単純で簡単だが、単語が覚えにくい - 外国語学習法を効率的にする言語学と経験
形が変わった英語
wanpela
英語ではoneですが、トクピシンではこの形です。
それ以外
オセアニアの現地語から入ってきた単語もありますが、ほとんどの単語は英語由来です。
kaikai 食べる
文法
前置詞が2種類
bilongはofと同じような意味のトクピシンの前置詞です。ki bilong yuでyour key(あなたの鍵)という意味。
トクピシンでは上記以外の時にはほとんどlongという前置詞が使われます。
Yu stap long heven.
You are in heaven.という意味です。
Predicative markerのi
トクピシンでは、動詞の前にiを付ける。つまり、文の中にiがあると、次に動詞が来ると分かるのです。
Kingdom bilong yu i mas i kam.
英語より複雑な文法
サンスクリットや古典ギリシャ語で出てくる双数や三数などを使います。ピジンが元の言語をより単純になると思われがちですが、実は複雑になってることもあります。
ネットで使われるトクピシン
オーストラリアにトクピシンのニュースサイトなどがあります。
http://www.radioaustralia.net.au/tokpisin/
↓トクピシンの辞書。デザインがいい。
『Papua New Guinea Tok Pisin English Dictionary』
<世界の言語>
- マレー・インドネシア語は単純で簡単だが、単語が覚えにくい
- 私のおすすめの外国語学習法のまとめ
- 多言語話者の私が考える普通の人に英語が必要ない理由
- 世界の言語にはどんな語順があるのか
- 世界の英語子育て シンガポール・インド・中国のケース