私は外国語も好きですが、日本語の方言にも興味があります。
家系的にも福岡県南部の筑後地方にルーツがあるので、その近辺には出かけたことがあります。色んな方言がありますが、熊本くらいまでならそんなに変わらないと思います。
しかし、鹿児島には行ったことがなくて、「鹿児島弁はわからんぞ」と言われてずっと興味を持っていました。さらに、大学の音声学の授業で鹿児島弁のアクセントの規則を習ったこともありました。そこで数年前についに、青春18切符で福岡から行ってきました。
鹿児島、天文館にて
鹿児島現地の人の言葉を直に聞けると思って、バーに行って現地の店員さんと話してみましたが、想像していた鹿児島弁ではありませんでした。
むしろ、九州弁と言うより標準語に近くて、福岡より方言らしさが薄いことに驚きました。しかし、イントネーションが宮崎などに近い感じでした。
唐芋標準語
調べてみると、唐芋標準語と呼ぶようです。
夜営業している喫茶店でお客さん同士の話を聞いてみても、標準語っぽい人が多かったです。なので、接客しているからだとか、相手が外から来た人だからとかで標準語を話しているというわけでもなさそうです。
路面電車に乗ってくる鹿児島大学の学生は全国各地から人が集まっているので鹿児島弁の参考にはなりませんが、やはり訛った標準語の人が多かったです。
鹿児島の事情はわかりません
福岡の人間としての立場から見て、鹿児島の人が方言を話さないことが不思議でしたが、私が知らない事情があるのだと思います。西日本で方言を使わないようにして話す場所は他に知りません。沖縄も標準語が使われているイメージです。
最初は不思議な感じでしたが、新しい発見をしたような感動がありました。
ひょっとしたら、鹿児島の人から見ると、福岡の人が方言をたくさん使っていることに対して不思議に思っているのかもしれません。
南部九州にしかないエブリワンというコンビニ。と思いきや、福岡にもありました。
知覧
鹿児島に行った目的の一つが知覧という街でした。きっかけは「俺は、君のたにこそ死にに行く」という映画です。
特攻隊員が出撃する前の様子が主に描かれた映画です。映画では鹿児島弁が聞けますが、自然なものかどうかはわかりません。
資料館の写真と解説員のおじさんの説明は映画や本よりも臨場感がありました。ちなみに、解説員のおじさんも鹿児島弁は話さず、イントネーションだけが鹿児島弁のいわゆる唐芋標準語でした。
全国から観覧に来るので方言だとわからないかもしれませんので、標準語で話すのは当然なので、普段この話し方をしているのかはわかりません。
聞き取れなかった別の理由
近くの武家屋敷でお茶を飲んだ後、鹿児島市内行きのバスを待っていました。
バス停に、おばあちゃんもやって来て、突然「ひまわり号ですか?」と聞かれましたが、一瞬聞き取れませんでした。「これが鹿児島弁か!」という訳でなくて、現地のバスのルートの名前を知らなかったし、一番の原因はおばあちゃんの歯がなくて音がはっきりしなかったからです。
結局、鹿児島弁を聞くチャンスはなかったです。
武家屋敷の近くに、オッドアイ(左右の目の色が違う)の猫がいました。