VOA(Voice of America、アメリカのニュース番組)をずっと聞いていれば英語がわかるようになると聞きます。番組はVOAでもCNNでも何でもいいのです。ニュースを毎日聞くという戦略です。
結論:効果は薄い
- 多少の効果はあるけれど、効率が悪く、効果は薄いです。
- しかし一方で、ずっと教科書だけをやっていているのもよくありません。
- 同じ音源を聞き続けることで、様々な良い効果がある
いつかは教科書を卒業して、自分で生のものを読んでいかなくてはいけません。みんな英語ができるようにならないのは、自分で資料を探して読まないからインプットの量が足りないのです。
外国語を聞き続ける効果を分析
『外国語学習の科学』のP100に、テレビを見せるだけでは言語習得は起こらないという実験結果が紹介されています。
考えやすいように、全然わからない言語、例えばサンスクリット(梵語)に置き換えて考えましょう。何度もサンスクリットのお経を聞いていればその内容がわかるようになるでしょうか。おそらく、
- 発音の特徴がわかるようになる
- 抑揚の特徴がわかるようになる
- 何度も聞く単語だけは聞き取れるようになる
上記のようなことは起こりうるでしょう。しかし、永遠にサンスクリットのお経の内容がわかるようにはならないでしょう。 英語の基礎が全くない人も同様に、毎回内意用の違う意味の分からないものをただ聞き続けるだけでは効果がほとんどないことがわかるでしょう。
サンスクリットのお経聞いてみましょうか?と言いたいところですが、見つからないので、般若心経のサンスクリット版のものを歌に載せたものを貼っておきます。マレーシア人のImee Ooiという人が歌っています。神秘的です。(いつの間にか広告がついていますね。)
サンダハンの入門サンスクリットに『般若心経』のサンスクリット版も練習に載っています。
ただ、英語の場合は、誰でもある程度の基礎を持っているので、ニュースをたくさん聞くうちに、耳が慣れ、前から知っている単語は聞き取れるようになるでしょう。つまり、ある程度の基礎が必要なのです。
そのため、ニュースを聞くという戦略を取るのであれば、原稿を字幕で見たり、聞き取れた単語の意味を調べたりすると効果が大きくなります。
今回は、私がやっている同じ音源を聞き続けるという方法を紹介します。
外国語に耳を慣らし且つフレーズも暗記する効率的方法
耳が慣れるという効果があるのなら、ずっと同じ音源を聞くほうが効果があります。僕の場合は、中国語を覚えるのに、同じ映画を何度も見ています。
例えば、『重慶マンション』という香港の映画を何度も見て、中国語と広東語を勉強しています。香港の映画ですが、中国語のセリフも多い映画です。金城武が前半の主役をしています。
見れば見るほど、前回よりたくさん聞き取れるし、もっと楽しめるようになる。最初は本にセリフと解説が載っていて、それを基に何度も聞いたり、暗記したりしました。
同じ音源を聞くことでフレーズの暗記にもなる
効率的に外国語学習を成功させる方法として、フレーズの暗記が効果的であることは以前も述べました。
関連記事:外国語学習に成功するフレーズの暗記と3種類のフレーズの探し方
今回の記事で説明しているように、同じ音源を聞き続けることでこのフレーズの暗記にも効果があります。例えば、私は『重慶マンション』で下のフレーズを丸暗記しました。
沒想到一夜之間我竟然被兩個叫阿MAY的人拋棄.
為了平復我的創傷,我決定不再找叫阿MAY的女人.
(まさか一晩に二人のMAYっていう名前の人に棄てられるとは。へこまないように、これからは二度とMAYという女性は相手にしないことに決めた)
このフレーズの中に中国語でよく使われる表現がいくつも入っています。映画で覚えると無味乾燥な教科書より、記憶に残りやすいです。
<リスニングの勉強>